湖岸の盲点の難易度

 小野堂天乃介です。
 
 「湖岸の盲点(問題編)」を公開しました!
 ダウンロードは安楽椅子犯人のHPからお願いします。
 http://hannin-a.sakura.ne.jp/
 
 さてさて……。
 「湖岸の盲点」の難易度の話です。
 シナリオ担当の私が、これはあーだ、あれはこーだと言っても仕方ありませんので、前身となった小説版での数字を具体的にあげます。

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 【小説版での解答者(10名)】
 
 <ミスの数>
 4つ正解   : 4名
 3つ正解   : 2名
 2つ正解   : 3名
 1つ正解   : 1名
 正解無し   : 0名
 
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 と、10名中4名が、4つのミスをすべて当てる完全正解です。
 逆に言えば、6名の方がパーフェクトならずですから気を抜けば間違いうる難易度、という設定です。
 とはいえ……。
 完全正解した4名はそれぞれ「読者への挑戦」あるいは「小説」に造詣のある方です。
 
 まず、犯人当てミステリ『彼女がペイシェンスを殺すはずがない』をお書きになった大山誠一郎さん。
 「聖ディオニシウスのパズル」や「アルファベット・パズラーズ」など、ロジックと手がかりをベースにした正統な本格ミステリを発表されております。
 4つのミスともに丁寧かつ完璧な解答を書いていただき、出題した私の方が解答の解説に困ってしまうほどでした(笑)
 
 つぎに、スタッフの一人──、すえばしけんさん。
 音楽担当としてのBGMをお任せするつもりでしたが、制作途中に第2回ノベルジャパン大賞を受賞!
 小説に、音楽に、と極めて多彩な方です。
 ちなみに、すえばしさんがどんな曲を作るかは、「すえばし」で検索すればすぐにわかると思います。「ひぐらしの鳴く頃に」のPC版クレジットに名前があったりしますしね……。
 
 そして残りのお二人はミステリ読みの知り合いです。
 二人とも推理力が極めて高く、「夕刊フジでの懸賞ミステリ企画」で賞金を獲得されている方です。(『湖岸の盲点』はミステリ仲間に見せて、直接勝負していた作品なのですが、すえばしさんとこのお二人には、ラーメンをおごる結果になりました……)
 
 つまり、今回の企画で4つのミスを指摘できる方は、かなり洞察力、推理力の高い方です。
 
 『湖岸の盲点』の「4つのミス」は難しいものではありませんが、かといって簡単すぎるというレベルでもないはずです。(個人で適度に解けるレベルの難易度……を目指しました)
 それぞれの難易度はそれほどではなくても、4つのミス共に解答として揃えるのは、意外に難しいのかもしれません。
 
 特に、「あのミス」は、一度気付かなければそのまま最後まで気付かない可能性が高いと思います。
 わかった人にとっては、「あのミス」は簡単すぎるように見えますが、テストプレイのデータ上は半数以上の方が見落としてしまう難しいミスのようです。
 
 
 「この読者への挑戦の難易度では物足りない」とお考えの方は、小此木鶯太郎になったつもりで「芦国暁人を追い詰めるロジック」を色々と考えてみてください。
 解答応募企画としては難しすぎるため【問題】にはしてないですが、作中の様々な情報を色々と組み立てれば、小此木鶯太郎の視点からでも「犯人は芦国暁人しかいない(さらに言うなら、第三者がやった可能性すらない)」という証明は可能です。
 
 あるいは、ミステリ好きのご友人をつかまえて、「湖岸の盲点」を出汁に正解数で勝負する、というのも面白いかも知れません。(ミステリの解答をネタに話すのはすごくたのしいですよー!)
 
 ちなみに、私たちサークル「安楽椅子犯人」の母体は、「読者への挑戦」企画の度にあつまった仲間達です。
 この謎はこうだ、いや、ああだとミステリ談義に花を咲かせたメンバーです。(綾辻行人有栖川有栖の「安楽椅子探偵」企画があれば、メンバーの家に集まったり、食事会を開いて作戦会議をしたりしますし(笑))
 
 この「湖岸の盲点」も、皆様のミステリ友達との話に花を添えうる作品になれれば、と願っています!